おうち時間がたっぷり取れる状況下でありながら、気になる症状があっても気軽に病院に行けない、診察が受けられない……こういった状況にストレスを抱えている人も多いようです。朝起きてすぐに倦怠感を感じたり頭痛に悩まされたり、日中に目も開けていられないほどの激しい睡魔に襲われたり……睡眠時無呼吸症候群は自宅でも簡単に簡易診断検査を受けることができます。快適な睡眠、健やかな生活を満喫したい、そんな皆さんにぜひ知っていただきたい検査があります。

自宅時間が増える中、よく眠れていますか?

自宅時間が増えたのに、疲れが取れない。慢性化した寝不足を取り戻したいが夜中に頻繁に目が覚めてしまう、睡眠時間はたっぷり取れているけれど日中眠くて仕方がない、最近いびきがうるさいと家族から注意される、自分のいびきの音に驚いて起きるなどの症状はありませんか。
もし、このような状況にある場合、「睡眠時無呼吸症候群」を疑ってみたほうがよいかもしれません。通称SASと呼ばれる睡眠時無呼吸症候群は、その名の通り睡眠時に起きている現象で、自覚症状がない厄介な病気です。ご自身では長く睡眠時間を取っているつもりでも、無呼吸状態が続く場合には、体には大きな負担がかかり、徐々にダメージが蓄積していきます。そのため、目覚めた後に頭がズキズキする、体が怠く重く感じるなどの症状が出てきます。
自宅時間が増えているために、これらの症状を引き起こす要因が増えているのかもしれません。
睡眠時無呼吸症候群は生活習慣に大きく関係しています。暴飲暴食はもってのほか、晩酌や寝酒などの飲酒量の増加や、食べ過ぎや運動不足による肥満化傾向、喫煙も生活習慣の見直しが必要です。それに加え加齢による筋力の衰えなども原因となりますので、改めて生活習慣の改善に取組まれてはいかがでしょうか。

自宅でも簡単にできる検査

睡眠時無呼吸症候群は、放っておくと生活の質を低下させる大変危険な疾患です。可能な限り早めに検査を受けていただきたいのですが、病院で検査を受けるには時間が取れないと諦めている人も多いようです。
受診の時間が取れない場合などにも対応可能な、自宅での簡易診断検査があります。数種類の検査の中で最も多く採用されている検査が「スクリーニング検査」です。
自宅に届くのは、「パルスオキシメーター」と「問診票」。パルスオキシメーターは「動脈血酸素飽和度(SpO2)」と「脈拍数」を測定する専用機器ですが、装着方法はとても簡単です。手首に腕時計のように本体を装着し、指先にはクリップを取り付けるだけ。後は普段通りに一晩眠ると測定データが自動的に記憶されます。
測定される「動脈血酸素飽和度」とは、動脈血中にあるヘモグロビンのうち、酸素化ヘモグロビンの占める割合を%で表したものです。動脈血酸素飽和度」は血液によって運ばれている酸素量を評価するとても重要な指標です。この検査結果で睡眠時無呼吸症候群の疑いがあるかどうかを診断します。痛みも面倒な操作も伴わない検査方法ですので、まず自宅でできる「スクリーニング検査」をお試しください。

検査の結果で治療が必要と言われたら

睡眠時無呼吸症候群の治療法も症状の重さや原因に合わせていくつかありますが、現在最も普及している治療法がCPAP(シーパップ)療法です。
CPAPとは装着するマスクの名称です。治療内容は、睡眠時にマスク(CPAP)を鼻に装着し気道に圧力を加えて空気を送り込み、気道の閉塞を防ぐことで無呼吸状態をなくします。寝ている間とはいえ空気による圧力が加わるので、息苦しさがあるのではと心配される人もいらっしゃると思いますが、治療時に睡眠を妨げるような点はほとんどなく、即効性もあり副作用の心配もないことから普及率も高くなっています。
自宅で検査し治療できる。睡眠時無呼吸症候群の対策は「自宅でできる」ことをぜひ知っておいてください。その結果で、治療の必要性が判断されます。

質の良い睡眠でおうち時間も快適に

重篤な疾患へとつながる恐れのある睡眠時無呼吸症候群には、検査や治療には自宅でできる有効な方法があります。
睡眠時無呼吸症候群の改善は、起きてすぐの頭痛や、日中の眠気や倦怠感だけでなく、高血圧などの生活習慣病も改善されることが報告されています。熟睡できる安心感と何度となく起きることのない快適な睡眠は清々しい目覚めにもつながります。日中の睡魔や倦怠感に悩むことのない「おうち時間」は、適度な運動への意欲を呼び起こし適正体重を目指すことも可能になります。睡眠時無呼吸症候群の改善による快適な生活を、ぜひ手に入れてください。