財団を設立してから、気づけば15年が経ちました。
2011年の創設当初、SASは運輸・交通業界の現場レベルでは、
まだ十分に知られていない病気でした。
「眠気くらいで事故が起きるのか」と言われることも多く、
対策の必要性を一から説くことが、私たちの最初の仕事でした。
それでも、2012年の関越道バス事故をひとつの転換点として、
社会はSASというリスクと正面から向き合い始めました。
それから15年。累計394,388人のドライバーが検査を受け、
全国217か所の医療機関が連携を結び、
2016年の道路運送法改正では疾病運転防止が法律に明記され、
業界全体でSAS対策への認識と取り組みが着実に広がってきました。
この変化の背景には、多くの皆さまのご理解とご協力がありました。
検査を受け入れてくださった事業経営者の皆さん、ドライバーの皆さん、
社内導入に奔走してくださった事業者の担当者の方々、
地域で診療を担ってくださった医師・看護師の皆さん
——すべての方の積み重ねが、今日の社会変化を作り出しました。
心から御礼を申し上げます。
しかし、15年という節目は立ち止まる理由にはなりません。
中小事業者への普及、治療継続率の向上、未カバー地域の医療体制の整備
——課題はまだ山積しています。
次の15年、私たちは現場に寄り添う伴走者として走り続けてまいります。
変えてきた。変え続ける——それが15周年の誓いです。
一般財団法人 運輸・交通SAS対策支援センター 理事長 別所 恭一
